セラピストにむけた情報発信


 文献紹介5:生態心理学に関する本



2008年5月16日

アフォーダンスの概念が有名な生態心理学について調べる機会がありました.
短時間に比較的多くの文献に触れることで,良い勉強となりました.

今回は,生態心理学に関する本についてご紹介します.


1.三嶋博之: エコロジカル・マインド−知性と環境をつなぐ心理学. NHKブックス, 2000
  • 初学者にも配慮の行き届いた良書です.初めて生態心理学やアフォーダンスの概念を勉強する方には,この本をお勧めします.
2. 境敦史, 他: ギブソン心理学の核心 勁草書房, 2002
3. 河野哲也: <心>はからだの外にある−「エコロジカルな私」の哲学. NHKブックス, 2006
  • 生態心理学に対する様々な批判を受けて,それが誤解や認識不足から来ている といった観点から,新たに生態心理学について解説したものです.2はギブソンの論文を忠実に解説した本,3は生態心理学の発想を教育問題などに応用することまで含めた,独自色の強い本です.
4.長崎浩:からだの自由と不自由.中公新書,1997
  • 運動の問題全般に関して骨太の主張が展開される名著です. 決して生態心理学の本ではありませんが,非常に客観的な立場から生態心理学の重要な研究を解説をしており,参考になります.
5. ノーマン,DA: 誰のためのデザイン?−認知科学者のデザイン原論 新曜社, 1990
6. 加藤浩,他(編): 状況論的アプローチ2− 認知的道具のデザイン 金子書房, 2001
  • アフォーダンスの概念を,広義のデザインの問題に応用することを意図した本です.理論を実践で活かすための思考法という観点から見ると,リハビリテーションにも参考になることがあるように思います.特に5は非常に有名な本で,研究領域の人間には大きなインパクトを与えました.


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